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すしざんまい初競り最高額の真相!なぜ落札控える?木村社長の現在

桂木 凌 桂木 凌 • 更新: • 公開: • 読了約 10 分
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新春の風物詩として日本中のお茶の間を沸かせてきた、東京・豊洲市場の新春マグロ初競り。その主役として長年君臨してきたのが、「すしざんまい」を展開する株式会社喜代村の木村清社長です。両手を広げたおなじみのポーズとともに、破格の超高値で一番マグロを競り落とす姿は、まさに正月の象徴ともいえる光景でした。

しかし、3億円を超えた伝説の競り落としをピークに、近年は以前のような超高額での落札劇が見られなくなったことで、「すしざんまいは初競りから撤退したのか?」「なぜ落札しなくなったのか」といった疑問の声がネット上でも広がっています。今回は、歴代最高額の記録から落札戦略の変化の理由、木村社長の熱い信念まで、徹底した取材をもとにその舞台裏を解き明かします。

【歴代最高3億3360万円】すしざんまい初競りの伝説と落札価格の推移一覧

すしざんまい初競り

豊洲市場の初競り史上で最も世間を驚かせたのは、築地から豊洲へと市場が移転して初の初競りとなった2019年1月5日のことでした。木村清社長率いる喜代村が競り落としたのは、青森県大間産の本マグロ(278kg)。コールされた金額は、驚愕の3億3360万円(1kgあたり120万円)という前代未聞の数字でした。

この大記録に至るまでの喜代村の初競り落札価格の推移を振り返ると、日本の景気や市場の熱気が色濃く反映されています。

【喜代村(すしざんまい)初競り・主な歴代落札記録一覧】
・2012年:5649万円(269kg・大間産)※香港の板前寿司との競り合いを制し話題に
・2013年:1億5540万円(222kg・大間産)※当時の市場最高値を大幅更新
・2014年:736万円(230kg・大間産)※過熱報道を受け自粛傾向へ
・2015年:451万円(180.4kg・大間産)
・2016年:1400万円(200kg・大間産)
・2017年:7420万円(212kg・大間産)
・2018年:3645万円(405kg・大間産)※築地市場最後の初競り
・2019年:3億3360万円(278kg・大間産)※豊洲移転初年・歴代最高額
・2020年:1億9320万円(276kg・大間産)

2019年の3億超えは、移転初年の祝儀相場とライバル企業との意地の張り合いが重なった結果生まれた奇跡的な数字であり、現在も国内外のメディアで語り継がれる伝説となっています。

なぜ最近は落札しないのか?「初競り撤退」の噂と知られざる舞台裏

2020年に1億9320万円で落札して以降、すしざんまいが一番マグロの最高値落札から遠ざかっていることから、一部では「初競りから完全撤退したのではないか」という噂が飛び交いました。しかし、これは事実上の撤退ではなく、明確な経営戦略と社会情勢への配慮に基づく方針転換です。

落札を抑える最大の転換点となったのは、2020年以降の新型コロナウイルス感染拡大でした。飲食店が休業要請や時短営業で苦境に喘ぐなか、木村社長は「世の中が大変な時に派手なお祭り騒ぎや数千万円・数億円の落札をするのは自粛すべき」と判断。医療従事者や生活困窮者に配慮し、目立つ形での高額落札を意識的に控えるようになりました。

また、億単位の宣伝費として機能していた初競りフィーバーですが、宣伝効果が一巡したことや、無理な高値競争によるブランドイメージの変質を避ける狙いもあります。「法外な価格で競り落とすこと自体が目的化してはならない」という原点に立ち返り、現在は品質と価格のバランスを見極めた冷静な仕入れにシフトしているのが真相です。

「マグロ大王」木村清社長の異色経歴と初競りに賭け続ける熱き信念

「マグロ大王」の異名を持つ木村清社長ですが、その人生は波乱万丈そのものです。1952年、千葉県野田市に生まれた木村氏は、中学卒業後に航空自衛隊に入隊。パイロットを目指したものの事故の影響で断念し、退官後は司法試験を目指しながら中央大学法学部の通信教育課程を卒業しました。

その後、食品会社を経て1979年に喜代村を創業。弁当屋やカラオケ店など多角経営を展開したのち、2001年に東京・築地場外市場に日本初の24時間・年中無休の寿司店「すしざんまい本店」をオープンさせました。

木村社長が初競りで一番マグロにこだわり続けた背景には、「日本一美味しくて良いマグロを、庶民が気軽に食べられる手頃な価格で提供したい」という強烈なサービス精神があります。初競りで億単位の値がついたマグロであっても、すしざんまい各店では通常価格(1貫数百円)で来店客に振る舞われ、大赤字を承知でお客に正月気分を味わってもらう還元策として実施されてきました。ソマリア沖の海賊を漁師として雇い入れ、マグロ漁を通じて生活再建を支援した逸話にも見られるように、木村氏の行動原理は常に「人を喜ばせること」にあります。

豊洲市場の勢力図激変!仲卸の雄「やま幸」との壮絶な一番マグロ争奪戦

初競りの歴史を語る上で欠かせないのが、名門マグロ仲卸「やま幸(やまゆき)」との激しい攻防です。かつて築地市場では、喜代村と海外資本(香港の寿司チェーン)による落札合戦が繰り広げられていましたが、豊洲移転前頃からやま幸が「高級鮨店や星付きレストラン連合」を率いて初競りに本格参戦しました。

銀座の高級店「銀座おのでら」などを傘下に持つONODERA GROUPとやま幸のタッグは、2021年以降、初競りの一番マグロを連続で競り落とすなど市場を完全に席巻。1貫数万円の高級コースで提供できる高級鮨店連合と、1貫数百円で全国展開する大衆チェーンの喜代村とでは、マグロの仕入れに投じられる経済的合理性が大きく異なります。

やま幸の圧倒的な落札力が定着したことで、初競りの主役交代が鮮明になりましたが、木村社長は「競り合いで市場が盛り上がるのは良いこと」と語り、健全な競争を歓迎する姿勢を崩していません。

【ネットの反応】初競りフィーバーへの賛否とファンが寄せる本音

すしざんまいの初競りに関する世間の反応は、時代とともに移り変わっています。

3億円超を記録した当時は、SNS上で「正月の風物詩として最高にめでたい」「あのポーズを見ないと年が明けた気がしない」といった称賛が集まる一方、「食べ物をマネーゲームにするのはいかがなものか」「漁師への還元とはいえ加熱しすぎ」という批判的な意見も一部で見られました。

しかし、近年の自粛傾向に対しては、「やっぱり木村社長が競り落とす姿が見られないと正月らしさが足りない」「毎年すしざんまいの初競りマグロを楽しみに並んでいたので寂しい」と、かつての熱気を懐かしむ声が多数を占めています。ネット上では、単なる金銭合戦ではなく、親しみやすい木村社長のキャラクターそのものが愛されていたことが浮き彫りになっています。

【2026年最新動向】初競りのあり方はどう変わったのか?今後の展望

現在の豊洲市場における初競りは、バブル的な狂乱相場から脱却し、「持続可能な初競り」へと成熟を見せています。大間産本マグロのブランド価値は不動の地位を保ちつつも、過度な釣り上げ合戦は落ち着きを見せ、市場関係者も適正なご祝儀相場での取引を意識するようになりました。

喜代村も無理な一番マグロへの執着は手放したものの、初競りそのものには毎回参加しており、状態の良い上質なマグロを複数本仕入れて全国の店舗へ届ける体制を整えています。「一番マグロの看板」に依存せずとも、創業以来培ってきた確かな目利きと仕入れ網によって、高品質なマグロを安定供給する企業体力を堅持しています。

【すしざんまい初競り】に関するよくある質問(FAQ)

Q1:すしざんまいが落札したマグロはどの店舗で食べられますか?
A1:初競りで仕入れたマグロは、基本的に東京・築地の「すしざんまい本店」をはじめ、全国の主要店舗へ迅速に切り分けられて空輸・配送されます。数量限定のため、毎年解体ショーの直後から行列ができ、早々に完売するのが通例です。

Q2:歴代最高額の3億3360万円のマグロは1貫いくらで販売されたのですか?
A2:原価計算をすると1貫数万円に相当するマグロでしたが、すしざんまい各店では通常メニューと同じ大トロ1貫400円前後(当時)という破格の通常価格で提供されました。大幅な赤字となりますが、木村社長からの「お年玉」として振る舞われました。

Q3:初競りで落札されたお金はどこへ行くのですか?
A3:落札金額の大半は、マグロを釣り上げた漁師と、船が所属する地元の漁協(青森県大間漁協など)に入ります。そこから市場の手数料などが差し引かれますが、数千万円から億円単位の売上は、命がけで冬の津軽海峡に出る一本釣り漁師にとってまさに夢のボーナスとなります。

まとめ:初競りが問いかける食文化の価値とすしざんまいの挑戦

すしざんまいが築き上げた初競りの歴史は、単なるPR戦略を超えて、日本の魚食文化と正月行事を大きく盛り上げる起爆剤となりました。歴代最高額3億3360万円という記録は、市場経済の枠組みを超えた木村清社長の心意気が生んだ唯一無二のモニュメントです。

時代が移り変わり、落札の主役が仲卸や高級鮨店へとシフトしても、木村社長が掲げる「誰もが美味しい寿司をお腹いっぱい食べられるように」という原点の志が変わることはありません。今後も豊洲市場の初競りがどのようなドラマを生み出していくのか、すしざんまいの次なる仕掛けとともに熱い視線が注がれ続けます。

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桂木 凌

野球・サッカー・五輪競技を11年取材。リーグ公式記録と球団発表を照合し、数字は一次ソースで裏取りします。

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