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「この度はご愁傷様でした」はメールNG?正しい返し方とマナーの落とし穴

夏目 千尋 夏目 千尋 • 更新: • 公開: • 読了約 10 分
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突然届く訃報や、同僚・取引先からの忌引き連絡。誰もが一度は口にしたことがある定番のお悔やみフレーズ「この度はご愁傷様でした」ですが、実は使い方を誤ると重大なマナー違反やトラブルを招くリスクを孕んでいます。「チャットツールやメールの文面で使っても失礼にあたらないのか」「対面で言われたらどう返すのが正解なのか」と、判断に迷った経験を持つビジネスパーソンは少なくありません。

リモートワークやビジネスチャットが定着した現代では、テキストを通じた弔意の伝え方や、家族葬の急増に伴う参列マナーの変化など、お悔やみを巡るコミュニケーションの前提が大きくアップデートされています。不意の事態に慌てて恥をかかないために、正しい言葉遣いと実践的な返信マナーを整理しておきましょう。

「この度はご愁傷様でした」はメールで使って大丈夫?知っておくべき落とし穴

この度はご愁傷様でした

結論から言えば、「ご愁傷様です(でした)」は本来、対面や電話といった「口頭」で伝えるための弔慰表現です。相手の気の毒な境遇に寄り添い、傷心の心を憂う感情を直接声で届ける言葉であるため、公式な文書やビジネスメールのテキストとして用いるのはマナーの観点から望ましくありません。

書面やメールなどのテキストコミュニケーションでは、「哀悼の意を表します」や「お悔やみ申し上げます」といった書き言葉を用いるのが正式な作法です。近年は社内チャットや親しい同僚宛てに「この度はご愁傷様でした」と書き送るケースも見受けられますが、取引先や社外の関係者、あるいは目上の上司に対してテキストで送ると「言葉遣いの基本を知らない」と受け取られかねないため注意が必要です。

「お悔やみ申し上げます」「ご冥福をお祈りいたします」との違いと正しい使い分け

弔事の挨拶で頻出する3大フレーズは、使う場面や相手の宗教によって明確な使い分けが存在します。それぞれの性質を整理すると、以下のようになります。

まず「ご愁傷様です」は、口頭専用でありながら宗教・宗派を問わずに誰に対しても使える汎用性を持っています。一方、「お悔やみ申し上げます」は口頭・文章(メール)のどちらでも使用可能で、故人の死を惜しみ悲しむ気持ちを丁寧に伝える、ビジネスにおいて最も安全かつ万能な表現です。

注意しなければならないのが「ご冥福をお祈りいたします」の扱いです。「冥福」とは死後の冥土の旅や幸福を祈る仏教用語であるため、浄土真宗やキリスト教、神道(神式)では教義上ふさわしくない言葉とされています。相手の宗旨・宗派が分からない状況では安易に使わず、どの宗教でも失礼にあたらない「心よりお悔やみ申し上げます」を選ぶのが最も無難でスマートな選択です。

「ご愁傷様です」と言われたときの正しい返し方|対面とメールの文例

自分が喪主や遺族側となり、周囲から「この度はご愁傷様でした」とお悔やみの言葉をかけられた際、反射的に「ありがとうございます」とだけ返して違和感を覚えたことはないでしょうか。弔事において「ありがとう」と明るく返すのはやや不自然に映る場合があるため、状況に応じた落ち着いた言い回しを身につけておくことが大切です。

葬儀の場や職場の対面で言葉をかけられた場合は、深く頭を下げながら「恐れ入ります」「お気遣い痛み入ります」「温かいお心遣い、感謝申し上げます」といった控えめな表現で返すのが最も品格ある対応とされています。無理に長く話す必要はなく、相手の心遣いを受け止める姿勢を示すだけで十分です。

一方、メールやチャットでお悔やみを受け取った場合の返信例文は次のとおりです。

【取引先・社外からのお悔やみに対する返信メール例文】
件名:Re: お悔やみ申し上げます(株式会社〇〇 氏名)
本文:
〇〇株式会社
〇〇部 〇〇様

平素は格別のご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。
株式会社〇〇の(氏名)です。

この度は、亡き〇〇(続柄:父など)の逝去に際し、温かいお悔やみのお言葉を賜り、心より御礼申し上げます。
お気遣いをいただき、大変胸が救われる思いでございます。

葬儀に関しましては、故人の遺志により近親者のみにて過日滞りなく相済ませました。
ご報告が遅れましたことをお詫び申し上げます。

不在中はご不便をおかけいたしますが、〇月〇日より通常通り出社いたします。
今後とも変わらぬご指導ご鞭撻のほど、よろしくお願い申し上げます。

【関係性別】お悔やみの言葉メール文例とビジネスチャット・LINEでの送り方

急な訃報に接した際、まずは取り急ぎ弔意を伝えたい場面があります。相手との関係性や連絡ツールに応じた適切な文例を把握しておくと、失礼を防ぎつつ相手の負担を減らすことができます。

【取引先宛ての正式なメール文例】
件名:ご尊父様のご逝去を悼み、謹んでお悔やみ申し上げます(株式会社〇〇 氏名)
本文:
〇〇株式会社
〇〇部 〇〇様

株式会社〇〇の(氏名)でございます。

ご尊父様のご逝去の報に接し、心よりお悔やみ申し上げます。
突然の悲報に接し、驚きを禁じ得ません。
ご家族の皆様のお悲しみはいかばかりかとお察し申し上げます。

本来であれば直接お目にかかりお悔やみを申し上げるべきところでございますが、略儀ながらメールにて謹んで哀悼の意を表します。
なお、本メールへのご返信には及びませんので、どうかご無理をなさいませんようお願い申し上げます。

親しい同僚や友人からLINEで訃報を受けた場合は、過度に畏まりすぎず、しかし礼節を保った短文が好まれます。相手は葬儀の手配などで極限状態にあるため、「返信は不要です」「落ち着いたらまた連絡してください」という一筆を添える配慮が喜ばれます。

家族葬・忌引き連絡への対応|現代ならではのお悔やみマナー

近年の葬儀シーンにおいて主流となった「家族葬」。近親者のみで見送る形式が増えたことで、周囲の立ち振る舞いにも新たなマナーが求められています。

家族葬を行う旨が通知されている場合、最もやってはいけないのが「良かれと思って香典や供花を勝手に送る」「式場へ弔問に駆けつける」という行為です。遺族側が「御香典・御供花の儀は固くご辞退申し上げます」と明記している場合、その意向を尊重することが最大の弔意となります。連絡を入れる際も、「ご遺志に従い、ご供花等は控えさせていただきますが、心よりご冥福をお祈りいたします」と添えるのが大人の配慮です。

また、同僚から「忌引き休暇」の取得メールが届いた際は、業務の引き継ぎについて過度にあれこれ質問攻めにせず、「業務のことは気にせず、ご家族との時間に専念してください」と安心感を与える返信を心がけましょう。

【この度はご愁傷様でした】に関するよくある質問(FAQ)

Q1:「ご愁傷様です」は目上の人に対して使っても敬語として問題ありませんか?
A1:文法上は「ご~様」という丁寧な接頭語・接尾語が含まれており、目上の人に対して口頭で使うこと自体は失礼にあたりません。ただし、極めて改まった場や、より格調高い敬意を示したい相手には「心よりお悔やみ申し上げます」「謹んで哀悼の意を表します」と言い換える方が、より品位ある印象を与えられます。

Q2:葬儀の受付や遺族の前で挨拶する際、どんな言葉をかけるのが正解ですか?
A2:受付では一礼して「この度は誠にご愁傷様でございます」と述べて香典を差し出します。遺族に対面した際は、悲しみに暮れる遺族の負担を考え、「この度は突然のことで…お悔やみ申し上げます」など、あえて言葉を濁しながら短く深く一礼するのが古くからの弔事の作法です。

Q3:忌み言葉(使ってはいけないNGワード)にはどのようなものがありますか?
A3:不幸が重なることを連想させる重ね言葉(「重ね重ね」「度々」「ますます」)や、再来を連想させる言葉(「再び」「続いて」)、直接的な生死の表現(「急死」「生きていた頃」)は避けるのが鉄則です。「重ねて」は「あわせて」、「急死」は「突然のこと」と言い換えるなどの配慮が大切です。

まとめ:相手に寄り添う一言が信頼と品格をつくる

「この度はご愁傷様でした」という言葉は、突然の別れに直面した相手へ深い共感を伝える力を持っています。しかし、それが口頭向けの表現であること、文章では「お悔やみ申し上げます」が基本であることなど、正しいマナーの知識を持っていなければ意図せず相手に違和感を与えてしまいかねません。

言葉の作法を正しく理解した上で、最も大切なのは「悲嘆に暮れる相手の心と負担にどれだけ寄り添えるか」という配慮です。形式的な定型文にとどまらず、状況に即した適切なフレーズを選び取れる大人のマナーを、いざという時のために身につけておきましょう。

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夏目 千尋
デジタルマーケター 夏目 千尋
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アイドルと音楽を専門に取材。公式の公演情報、レーベル発表、現地レポートを一次情報として扱います。

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