飼い主が留守にしている間、ペットたちは一体どんな日常を過ごしているのか――。そんな愛らしい妄想を鮮やかに映像化し、世界中でメガヒットを記録したイルミネーション・エンターテインメントの傑作『ペット』シリーズ。動画配信サービスや地上波の映画枠でも定番の人気を誇り、世代を超えて親しまれています。
本作の最大の魅力の一つが、個性豊かな動物たちに命を吹き込んだ日本語吹き替え版のキャスト陣です。お笑いコンビ・バナナマンの2人やタレントの佐藤栞里さんをはじめ、宮野真守さん、梶裕貴さん、沢城みゆきさん、中尾隆聖さんといった日本アニメ界を牽引するトップ声優陣が集結しました。本稿では、第1作および続編『ペット2』の全キャスト配役、制作陣が意図したキャスティングの真相、ネット上で飛び交う「上手い・下手」のリアルな評判まで、詳しく解説します。
【一覧】映画『ペット』吹き替え声優一覧|第1作・第2作の主要キャスト対照表

まずは、映画『ペット』(2016年)および続編『ペット2』(2019年)に登場する主要キャラクターと、それぞれの日本語吹き替え声優、そしてオリジナル(英語版)キャストを一覧で整理します。
| キャラクター | 動物の種類 | 日本語吹き替え声優 | オリジナル英語版声優 |
|---|---|---|---|
| マックス | ジャック・ラッセル・テリア | 設楽統(バナナマン) | ルイ・C・K(1作目) パットン・オズワルト(2作目) |
| デューク | 大型の雑種犬 | 日村勇紀(バナナマン) | エリック・ストーンストリート |
| ケイティ | マックスとデュークの飼い主 | 佐藤栞里 | エリー・ケンパー |
| クロエ | 肥満気味のトラネコ | 永作博美 | レイク・ベル |
| ギジェット | ポメラニアン | 沢城みゆき | ジェニー・スレイト |
| スノーボール | ウサギ | 中尾隆聖 | ケヴィン・ハート |
| ノーマン | モルモット | 梶裕貴 | クリス・ルノー |
| タイベリアス | アカオノスリ(タカ) | 宮野真守(1作目) | アルバート・ブルックス |
| ポップス | バセット・ハウンドの老犬 | 銀河万丈 | ダナ・カーヴィ |
| バディ | ダックスフント | 青山穣 | ハンニバル・バレス |
| メル | パグ | かぬか光明 | ボビー・モナハン |
| デイジー(2作目〜) | シーズー | 伊藤沙莉 | ティファニー・ハディッシュ |
| セルゲイ(2作目) | 悪徳サーカス団長 | 宮野真守 | ニック・クロール |
| ルースター(2作目) | 牧羊犬 | 内藤剛志 | ハリソン・フォード |
一覧を見渡すと分かる通り、バラエティや情報番組で親しまれる著名人と、声優界の重鎮・トップランカーがバランス良く配置されている布陣です。
バナナマン設楽&日村の抜擢理由は?マックスとデュークが絶賛された舞台裏
主人公のマックス役を務めた設楽統さんと、後から家にやってくる大型犬デューク役を務めた日村勇紀さん。お笑い界屈指の人気コンビであるバナナマンの起用は、単なる知名度目当てのキャスティングではありませんでした。
物語の核となるのは、平穏な一人っ子生活を送っていたマックスと、保健所から引き取られてきた奔放なデュークの「衝突から生まれる絆」です。初めは反発し合いながらも、ニューヨークの街で迷子になり、数々の危機を乗り越える中で無二の相棒となっていくプロセスを描くにあたり、制作サイドは長年苦楽を共にしてきたリアルなコンビの空気感を求めました。
設楽さんのどこか理知的で神経質、それでいて愛情深い語り口と、日村さんの大らかで愛嬌のあるハスキーボイスは、キャラクターのビジュアルと完璧に合致。特に、互いに皮肉を言い合いながらも息の合った掛け合いを見せるシーンは、台本を超えた2人の信頼関係が滲み出ていると現場スタッフからも絶賛されました。
宮野真守・梶裕貴・沢城みゆき・中尾隆聖|主役級プロ声優陣の豪華すぎる配役の真相
本作の吹き替え版がアニメファンからも高い支持を集める理由は、脇を固める専業声優陣の圧倒的な布陣にあります。その配役には、それぞれの声優が持つ「芸域の広さ」を最大限に活かす工夫が凝らされていました。
最初に、見た目は天使のように愛らしい白ウサギでありながら、中身は狂気に満ちた元ペット軍団のリーダーであるスノーボール。この極端な二面性を持つ難役に起用されたのが、『ドラゴンボールZ』のフリーザや『アンパンマン』のばいきんまんで知られる中尾隆聖さんです。キュートな外見から突如繰り出されるドスの利いた凶悪ボイスのギャップは、海外版のケヴィン・ハートのハイテンションな演技に引けを取らないインパクトを残しました。
マックスを一途に思い続けるポメラニアンのギジェットには、変幻自在の演技力で定評のある沢城みゆきさん。普段の可憐なトーンから、マックスを救うために敵を薙ぎ倒す際の猛獣のような咆哮まで、圧巻の芝居でキャラクターの魅力を何倍にも引き上げました。
加えて、方向音痴でおとぼけキャラのモルモット・ノーマンを梶裕貴さんがコミカルに好演。そして宮野真守さんは、1作目では捕食本能と友情の間で葛藤する孤独なタカのタイベリアス役を演じ、2作目では一転して冷酷非道なサーカス団の団長・セルゲイ役を担当するという贅沢な起用がなされています。
「吹き替えが下手・違和感」の噂は本当?視聴者のリアルな評判と評価を検証
大作海外アニメの日本語吹き替えにおいて、タレントの起用には常に「下手なのではないか」「棒読みで作品の世界観を壊さないか」といった懸念の声がつきまといます。ネット上の検索窓でも「ペット 吹き替え 下手」というワードが見受けられますが、実際の評価はどうだったのでしょうか。
結論から言えば、本作におけるタレント吹き替えへの批判は極めて少なく、「数あるアニメ吹き替えの中でも稀に見る大成功例」と評されています。
マックスを演じた設楽さんについては、「アニメ声優と比べても全く違和感がない」「等身大の小型犬の感情が自然に伝わってくる」と高評価が圧倒的でした。また、飼い主のケイティを演じた佐藤栞里さんに対しても、「明るく温かい人柄がそのまま声に乗っていて、マックスが彼女を大好きな理由がよく分かる」と好意的な意見が多数を占めました。
一部で「本職の声優と並ぶと声の通りや滑舌の差が気になる」という厳しめの意見が散見されたものの、日村さんのデュークも含め、キャラクターの「抜け感」や「愛嬌」がタレント特有の生っぽい演技と見事にマッチしており、ネガティブな感想を払拭するクオリティに仕上がっています。
『ペット2』声優変更の真相とは?英語版の交代劇と日本版キャストへの影響
シリーズを追うファンの間で大きな関心事となったのが、第2作『ペット2』における声優交代の話題です。「声優が変わった」という噂の真相は、実は本国アメリカのオリジナル版における出来事でした。
第1作で主人公マックスの声を担当していた米国の人気コメディアン、ルイ・C・K氏が、2017年に過去の不祥事を認めて謝罪。これにより制作のユニバーサル・ピクチャーズおよびイルミネーションは彼との契約を解除し、『ペット2』ではコメディ俳優のパットン・オズワルト氏へとキャストが交代しました。
一方、日本語吹き替え版においては、設楽統さんが引き続きマックス役を続投。日本のファンにとっては声の印象が変わることなく、安心して続編を楽しめる形が維持されました。
また、『ペット2』から登場した勇敢なシーズー犬・デイジー役には、実力派俳優の伊藤沙莉さんが抜擢。ハスキーで芯のある特徴的な声質がキャラクターのアグレッシブな性格と完璧に調和し、作品のテンポ感を一段引き上げる素晴らしい好演を見せました。
日本語吹き替え版とオリジナル英語版の比較|演出とセリフのローカライズの妙
アニメーション映画の吹き替えにおいて重要なのが、単なる直訳ではなく、文化的な背景の違いを埋める「ローカライズ」の技術です。『ペット』シリーズでは、日米の演出アプローチに興味深い違いが存在します。
オリジナル英語版では、スタンダップコメディアンの瞬発力を活かした早口のマシンガントークや、アメリカ特有の皮肉(アイロニー)が随所に散りばめられています。これに対し、日本語吹き替え版では、言葉遊びの面白さを日本語のリズムへと巧みに変換しています。
例えば、バナナマンの2人がアドリブ混じりに交わす日常会話のトーンは、日本のバラエティ番組を見ているかのような心地よいテンポ感を生み出しています。また、オリジナル版のスノーボールが持つ過激なスラング混じりのセリフも、中尾隆聖さんの絶妙な怪演によって「子供向けアニメの枠を超えた毒っ気」としてエンターテインメントに昇華されました。オリジナル版の持つエッジの効いたユーモアを損なうことなく、日本のお茶の間にフィットさせた演出の功績は非常に大きいと言えます。
【ペット 映画 声優】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:主人公マックスの吹き替え声優は途中で変わりましたか?
A1:日本版の吹き替え声優は変わっていません。第1作、第2作ともにバナナマンの設楽統さんが担当しています。声優交代があったのは英語版で、ルイ・C・K氏からパットン・オズワルト氏へと変更されました。
Q2:宮野真守さんは『ペット』シリーズで何役演じていますか?
A2:第1作ではタカの「タイベリアス」役、第2作『ペット2』では悪徳サーカス団長の「セルゲイ」役を演じています。まったく異なる性質のキャラクターを巧みに演じ分けており、声優ファンの間でも大きな見どころとなっています。
Q3:続編『ペット2』で新たに参加した注目のキャストは誰ですか?
A3:正義感あふれるシーズーのデイジー役に伊藤沙莉さん、農場の威厳ある牧羊犬ルースター役に内藤剛志さんが新たに参加しました。特にルースターは、英語版でハリソン・フォードがアニメ声優初挑戦として演じた役であり、日本版の内藤さんの渋い演技も大きな話題となりました。
まとめ:豪華声優陣が紡ぎ出した『ペット』シリーズの色褪せない魅力
映画『ペット』シリーズが今なお多くの視聴者を魅了し続けている背景には、卓越したアニメーション技術だけでなく、計算し尽くされた吹き替えキャスティングの存在があります。
バナナマンの2人が醸し出す唯一無二のコンビネーション、佐藤栞里さんや伊藤沙莉さんが添えるナチュラルな親しみやすさ、そして中尾隆聖さんや沢城みゆきさん、宮野真守さんらトップ声優陣による盤石の演技力。これらが見事な化学反応を起こしたからこそ、本作は単なるキャラクターアニメにとどまらない、心躍るエンターテインメントとして成立しています。
すでに作品を観たことがある方も、声優陣の細やかな演技のニュアンスや日米のキャスティングの違いに着目して鑑賞し直すことで、新たな発見と楽しさを味わえるはずです。